検討問題:日本文化:母権文化と父権文化の二重性






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2009年04月25日(Sat)
検討問題:日本文化:母権文化と父権文化の二重性
日本文化とは何であるのか、答え出すのが難しい。私は以前、キリスト教の問題がいちばん難しいと思ったが、キリスト教の謎は今や解かれてしまい、今や、日本文化がいちばんの謎である。
 今は余裕がないので、思いつきを述べるが、日本に侵入した民族は、基本的に、二種類あったのではないだろうか。一つは、欧州におけるケルト民族と近しい民族であり、母権制・女神の文化を伝えたのである。
 もう一つは、天孫降臨の父権的民族である。
 日本列島(倭国)の母体は、おそらく、縄文/弥生的なアニミズム/シャーマニズム文化である。
 記紀からわかるのは、父権文化が母権文化を抑圧しようとしていることである。しかしながら、一神教のようには、完全に否定するものではない。つまり、統合型である。
 とまれ、いちばん単純な融合は、土着的母権文化と大陸の父権文化の融合である。そして、父権的イデオロギーが表面的には支配的になった。しかし、実質は二重文化である。土台の母権文化とイデオロギーの父権文化である。
 天皇制とは、このモデルで説明されよう。実体は、母権文化、つまり、エジプトのイシス/オシリス神話ないしは古代オリエントの女神の文化である。
 しかし、その基盤の上に父権的な天皇が支配イデオロギーとして存するのである。
 もう一つの複雑なモデルは、以上の混淆にケルト文化的な民族が入ったものである。これは意外にありえると思うのである。何故なら、折口信夫の説く日本神話ないしは古代宗教はケルト神話と酷似しているからである。
 しかしながら、そうだとしても、必ずしも、ケルト民族的なものの侵入は必要だとは言えない。基盤に女神文化があればいいからである。
 そうすると、最初のもっとも単純なモデルが仮説になりうるのである。それは、一般的ではあるが、核心は、天皇制である。天皇=日御子とは、母権神話の太陽であり、かつ、父権神話の太陽という二重性を帯びているということである。単に天皇制を否定できないのは、その面があるからである。
 また、父権文化は抽象的な文化をもたらしたと言えよう。単に母権文化ならば、イメージだけの文化になり、高度な文字文化は生じなかったであろう。だから、天皇制の母権/父権の二重性は日本文化発展にとって有意義であったと言えよう。
 問題は、この二重性を日本人が認識しているかということである。歴史の進展において、なにかあいまいになってしまったのではないだろう。私見では、日本文化・社会・歴史等は、この母権/父権の二重性から解明されるべきである。ニーチェ的に言えば、ディオニュソス/アポロ文化である。
 日本は近代化において、父権的方向をとったと考えられる。もっとも、明治維新には、母権的ルネサンスもあったと思うが。
 そして、父権的方向が狂信的になり、帝国主義化して、敗戦する。そして、米国の覇権に組み込まれる。そして、その中で、日本の官僚その他の父権的勢力が日本を支配するようになったのである。
 また、戦後は一般に神道が否定され、近代合理主義が支配的なったので、母権文化が衰退したと言える。つまり、日本の伝統的な二重文化の危機が発生したのである。
 とまれ、神道を土台にした日本/東洋的精神をもう一度復活させる必要があると言えよう。そこには、仏教、道教、儒教等も入るのである。(但し、儒教の父権性は注意しないといけない。)
 父権文化は結局、同一性=物質主義文化を生んだのであり、差異=精神文化は衰退してしまったのである。
 問題は資本主義である。それは、同一性価値=交換価値によって駆動されている父権的なものである。この点は既述であるが、差異価値化が必要であるのである。
 政治の差異価値化と同時に、資本の差異価値化が必要である。差異的民主主義、差異的資本主義が必要なのである。
 とまれ、最後に付言すると、母権性(差異)と父権性(同一性)は不連続である。日本文化二重性において、この不連続的切断が必要である。それは、日本的個の誕生を意味するのである。


   




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カレンダ
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