D. H. ロレンスの動物-人物相関象徴主義:即非的双極志向性芸術論






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2010年07月09日(Fri)
D. H. ロレンスの動物-人物相関象徴主義:即非的双極志向性芸術論
ロレンスの短編・中編小説作品に鮮烈に存在する動物と登場人物(人物)とを相関させる表現方法を理論化する必要がある。
 とりあえず、動物ー人物相関象徴主義と呼ぶことにする。この表現方法はPS理論的に解明するとどうなるのだろうか。
 これは、今閃いたが、MP1(虚軸のゼロ点)の差異共立一如体の表現方法ではないのか思う。即ち、人物凸iと動物凹iが存するとする。
 動物を例えば、狐としよう。そして、人物を、ブラウン氏としよう。
 即ち、MP1において、凸i(ブラウン氏)*凹i(狐)が存する(これまで、共立を#としたが、MP1と限定すれば、*で足りる)。
 重要なのは、凸iは凹iへと志向し、且つ、凹iは凸iへと志向することである。しかしながら、ここでは、MP2におけるように共振作用はなく、あくまで、共立一如様態があるのである。
 具体的に言えば、ブラウン氏は狐へと志向し、狐はブラウン氏へと志向するということである。しかしながら、ブラウン氏はブラウン氏で、狐ではなく、また、逆も同様である。だから、ここにも即非様態があると言えるだろう(先に、MP1とMP2の関係が即非であると述べた)。
 とまれ、この即非的志向性が、ロレンスの動物ー人物相関象徴主義(象徴美学)の解明になるのではないだろうか。つまり、即非的双極志向性美学があるということになるだろう。
 どうも天才的芸術家はこの美学を体得しているようである。一種のポリフォニーと言える。
 とまれ、ざっとであるが、ロレンスの美学の核心の一つがこれで明確になったであろう。

追記:対位法とも呼べよう。即ち、動物ー人物対位法的象徴主義である。

追記2:ドゥルーズ&ガタリが『哲学とは何か』で述べていた生成変化(子ども、女性、動物、マイノリティへの生成変化)、変様態(いわば、即非的情感)・被知覚態(他者に知覚されうこと)は、正しくは、MP1の様態力学で説明できるだろう。
 彼らの問題は、当然、超越性の否定と内在性(実数性)の肯定にある。結局、MP1とMP2との連続的混淆様態にあるのが彼らの理論である。それが、「離接」という概念に表れていよう。つまり、「接」に連続性があるのである。
 即非的様態とは、連続性はないのである。連続性ではなく、一如性があるのである。
 例証すると、生成変化という概念であるが、例えば、動物になるという生成変化を考えよう。ある人物Xが鯨に生成変化するとしよう。しかしながら、このとい、人物Xは鯨と連続態になっているのである。
 しかしながら、上述したロレンスの芸術的方法論は、あくまで、即非様態なのである。つまり、ブラウン氏は狐へと志向するが、究極的に狐になるのではない。あくまで、ブラウン氏と狐は不連続であり、差異共立一如態なのである。言い換えると、生成変化の場合、ブラウン氏は狐へと連続化するということである。このような連続性は、当然、不連続性や超越性を否定していることから発するのである。

外国文学(イギリス文学他)
D・H・ロレンス短篇全集〈第1巻〉 (-)
D.H. ロレンス (著), 西村 孝次 (翻訳), 鉄村 春生 (翻訳), 上村 哲彦 (翻訳), 戸田 仁 (翻訳)

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