谷崎潤一郎:日本語文学の問題:そう、仏作って、魂入れずか?






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2009年09月25日(Fri)
谷崎潤一郎:日本語文学の問題:そう、仏作って、魂入れずか?
私の中で、谷崎潤一郎の評価が難しくなっている。どうも、上澄み液を掬ったような文学に今は思えないことはない。
 私にとって、日本文学とは、明治以前である。芭蕉や鴨長明や吉田兼好や平家物語、万葉集等々である。
 端的に、古文の文体は完璧である。とまれ、谷崎の文体は確かに見事であるが、何かが欠落している。そう、絶対的差異が欠落しているのである。
 確かに、一種、スタンダードな散文の文体を確立したとは言えるが、・・・。
 そう、仏作って、魂入れずか?

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ノーベル賞:58年文学賞候補に谷崎、西脇両氏ノミネート
谷崎潤一郎
谷崎潤一郎
西脇順三郎
西脇順三郎

 作家の谷崎潤一郎(1886〜1965)と詩人で英文学者の西脇順三郎(1894〜1982)の2人が1958年のノーベル文学賞候補だったことがわかった。スウェーデン・アカデミーが23日、毎日新聞の取材に明らかにした。

 谷崎は東京生まれ。純日本的な美の世界や性の秩序崩壊などを主題に独自の耽美(たんび)的世界を構築。大正、昭和を代表する作家の一人だ。代表作に「春琴抄」「陰翳礼讃」「細雪」などがある。

 西脇は新潟県生まれ。「旅人かへらず」「第三の神話」などの自作詩集のほか、詩論やT・S・エリオットの「荒地」など英米文学の翻訳でも知られる。

 谷崎、西脇は、47、48年に日本人初のノーベル文学賞候補となった賀川豊彦に次ぐ日本人候補だったことになる。

http://mainichi.jp/select/wadai/news/20090925k0000m040070000c.html


参考:
方丈記
鴨長明



行く川のながれは絶えずして、しかも本の水にあらず。よどみに浮ぶうたかたは、かつ消えかつ結びて久しくとゞまることなし。世の中にある人とすみかと、またかくの如し。玉しきの都の中にむねをならべいらかをあらそへる、たかきいやしき人のすまひは、代々を經て盡きせぬものなれど、これをまことかと尋ぬれば、昔ありし家はまれなり。或はこぞ破れ(やけイ)てことしは造り、あるは大家ほろびて小家となる。住む人もこれにおなじ。所もかはらず、人も多かれど、いにしへ見し人は、二三十人が中に、わづかにひとりふたりなり。あしたに死し、ゆふべに生るゝならひ、たゞ水の泡にぞ似たりける。知らず、生れ死ぬる人、いづかたより來りて、いづかたへか去る。又知らず、かりのやどり、誰が爲に心を惱まし、何によりてか目をよろこばしむる。そのあるじとすみかと、無常をあらそひ去るさま、いはゞ朝顏の露にことならず。或は露おちて花のこれり。のこるといへども朝日に枯れぬ。或は花はしぼみて、露なほ消えず。消えずといへども、ゆふべを待つことなし。』およそ物の心を知れりしよりこのかた、四十あまりの春秋をおくれる間に、世のふしぎを見ることやゝたびたびになりぬ。いにし安元三年四月廿八日かとよ、風烈しく吹きてしづかならざりし夜、戌の時ばかり、都のたつみより火出で來りていぬゐに至る。はてには朱雀門、大極殿、大學寮、民部の省まで移りて、ひとよがほどに、塵灰となりにき。火本は樋口富の小路とかや、病人を宿せるかりやより出で來けるとなむ。吹きまよふ風にとかく移り行くほどに、扇をひろげたるが如くすゑひろになりぬ。遠き家は煙にむせび、近きあたりはひたすらほのほを地に吹きつけたり。空には灰を吹きたてたれば、火の光に映じてあまねくくれなゐなる中に、風に堪へず吹き切られたるほのほ、飛ぶが如くにして一二町を越えつゝ移り行く。その中の人うつゝ(しイ)心ならむや。あるひは煙にむせびてたふれ伏し、或は炎にまぐれてたちまちに死しぬ。或は又わづかに身一つからくして遁れたれども、資財を取り出づるに及ばず。七珍萬寳、さながら灰燼となりにき。そのつひえいくそばくぞ。このたび公卿の家十六燒けたり。ましてその外は數を知らず。すべて都のうち、三分が二(一イ)に及べりとぞ。男女死ぬるもの數千人、馬牛のたぐひ邊際を知らず。人のいとなみみなおろかなる中に、さしも危き京中の家を作るとて寶をつひやし心をなやますことは、すぐれてあぢきなくぞ侍るべき。』また治承四年卯月廿九日のころ、中の御門京極のほどより、大なるつじかぜ起りて、六條わたりまで、いかめしく吹きけること侍りき。三四町をかけて吹きまくるに、その中にこもれる家ども、大なるもちひさきも、一つとしてやぶれざるはなし。さながらひらにたふれたるもあり。けたはしらばかり殘れるもあり。又門の上を吹き放ちて、四五町がほど(ほかイ)に置き、又垣を吹き拂ひて、隣と一つになせり。いはむや家の内のたから、數をつくして空にあがり、ひはだぶき板のたぐひ、冬の木の葉の風に亂るゝがごとし。塵を煙のごとく吹き立てたれば、すべて目も見えず。おびたゞしくなりとよむ音に、物いふ聲も聞えず。かの地獄の業風なりとも、かばかりにとぞ覺ゆる。家の損亡するのみならず、これをとり繕ふ間に、身をそこなひて、かたはづけるもの數を知らず。この風ひつじさるのかたに移り行きて、多くの人のなげきをなせり。
http://www.aozora.gr.jp/cards
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