折口信夫の『死者の書』:登場人物と粗筋 |
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2008年06月30日(Mon)
折口信夫の『死者の書』:登場人物と粗筋
折口信夫の『死者の書』:登場人物と粗筋
テーマ:折口信夫『死者の書』 以下、元の掲載では、水色でみにくくなっていたので、ここで、文字色を変えて、また、少し補足して再掲する。 折口信夫の『死者の書』:登場人物と粗筋 テーマ:折口信夫『死者の書』 『死者の書』の主要登場人物と構成 登場人物 1. 死者(大津皇子、滋賀津彦) 2. 藤原南家(なんけ)の郎女(いらつめ:死者には、耳面刀自と思われている。 中将姫(ちゅうじょうひめ)と普通呼ばれる。) 3. 耳面刀自(みみものとじ):淡海公(たんかいこう)の妹君、祖父の叔母君 4. 郎女の祖父は、武智麻呂(たけちのまろ) 5. 郎女の父は、豊成 6. 郎女の父の弟は、仲麻呂=大師藤原恵美中卿 7. 兵部太輔大伴家持(おおとものやかもち) 8. 当麻真人(たいままひと)の氏の語部(かたりべ) 9. 乳母:身狭乳母(むさのちおも);郎女の世話をする。 話の筋 1) 死者の目覚め 2) 九人の杖人による郎女の魂ごひの行:死者の応答 3) 万法蔵院の小庵室に留め置かれる郎女:当麻真人の「氏の語部」 4) 当麻の語部の姥(おうな)の神懸かりによる歌。大津皇子の処刑(日のみ子に弓を引いたため)と執心。郎女の彼岸中日のヴィジョン。天若日子の神話:天の神々に弓を引いた罪ある神:「天若みこ」の話。 5) 死者の想起。滋賀津彦(しがのつひこ)。 6) 郎女の失踪。家から二上山へと行く。称讃浄土経の写経。千部手写。春分、秋分の彼岸における俤の人の幻視。 7) 千部手写が完成した夜、郎女が神隠しにあった。郎女は、二上山の女人禁制の境内に入って、山肌を見ていた。寺の者たちがおおぜい、集まり、郎女に問うものがいた。 8) 石城(しき)と言われる石垣のある家が残っていた。古い氏素性の、神代以来の家職の神聖を誇った者どもは、家職自身が、新しい藤原奈良の都には、次第に意味を失っているのに気がついていなかった。大伴家持は、旧習を守っている。話は、東大寺の四天王像の開眼のこととなり、その像が誰それに似ているといううわさ話がたっている。大師藤原恵美中卿もうわさになる。そして、その姪の横はき家の郎女が神隠しにあった話がもちあがる。 9) 大伴家持の散策:横はきかきつの家まで来る。 10) 妻問い式とそういうもののないしきたり。南家の郎女にも、妻を求める男がとりまいた。郎女は、父藤原豊成が書き綴った『仏本伝来記』が手に入り、手写した。郎女は、御仏に感謝した。 11) 称讃浄土仏摂受経の千部手写の願を発起した頃の郎女。女性をも救うことを説いた法華経のことが気になっている。 12) 寺の浄域を穢した郎女は、自ら、咎をあがなうと述べ、乳母を感動させた。 13) 寺の深夜、郎女は廬にいる。帷帳(とばり)を掴んだ片手の白く光る指が見えたとき、郎女は思わず、「なも 阿弥陀ほとけ。あなたふと 阿弥陀ほとけ。」と言葉をもらした。それから、白玉をとりあげる夢を見る。水底の白玉、珊瑚の木となった夢をみる。天井の光の輪の隈から、俤(おもかげ)の人の姿が見えた。 14) 大師藤原恵美中卿(仲麻呂)と兵部大輔大伴家持の歓談:郎女のことが話題となる。 15) 郎女は、不思議な音がする恐ろしい夜更けを待つようになった。候は、躑躅(つつじ)の咲く頃であった。ある夜、天井の光のところに、大きな花が見えた。「郎女の目には、何とも知れぬ浄らかな花が、車輪のように、宙にぱっと開いている。」(p.125)その花の蕋(しべ)から、黄金の髪が動く。その髪の中から、顔、肩、胸、肌が現れる。 16) ヤマツツジの時候。初夏となる。寺にいる郎女が魂がもどってくることだけを望みにして、人々は山村に留まっていた。人々は、蓮の茎を取って、蓮糸を紡いだ。そして、蓮糸のまるがせが、廬堂に高く積まれていった。郎女は、秋分の日が近づいてきているのを身の内に感じた。 17) 彼岸中日、秋分の夕方。郎女は、いつの間にか、廬の外へ出ていた。乳母たちは、驚き、郎女を探しに出かける。郎女は、万法蔵院に来ていた。そして、二上山の男嶽(おたけ)と女嶽(めたけ)の間を見ていた。そこへ、俤の人のヴィジョンが現れた。 18) 郎女は、奈良の御館から取り寄せた高機で、蓮糸織りをすることになった。郎女は、織物を織って、俤の人の素肌のお身を、掩ってあげたいと思う。しかし、うまくいかない。当麻語部姥(たいまのかたりべおうな)の声で、織り方を教わる。 19) 5反目の織物を織る。それから、郎女自身で、裁ち始める。 20) 当麻語部はもう一人語りの物語の時代ではないことを知る。さて、郎女は、奈良の家の絵の具を思い出して、取りに遣らせる。そして、その絵の具でもって、作った織物の衣に、先の夕に見た幻を描き始めた。そこには、豪華絢爛な伽藍があり、また「照り充ちた色身」の尊者が現れた。「姫の俤びとに貸す為の衣に描いた絵様は、そのまま曼荼羅の相(すがた)を具えて居たにしても、姫はその中に、唯一人の色身の幻を描いたに過ぎなかった。併し、残された刀自・若人たちの、うちまもる画面には、見るみる、数千地涌(すせんぢゆ)の菩薩の姿が、浮き出て来た。其は、幾人の人々が同時に見た、白日夢のたぐひかも知れぬ。」 http://ameblo.jp/renshi/ entry-10002171474.html |
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