ハイデガーの『存在と時間』と他者の不在 |
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2007年08月28日(Tue)
ハイデガーの『存在と時間』と他者の不在
『存在と時間』から、事物への配慮があるが、他者の不在を表していると考えられる箇所を引用したい。
「・・・世界内存在は、差しあたって世界という現象に着目して性格づけられた。しかもわれわれの究明は、環境世界の「内で」の道具的に存在しているものや事物的に存在しているものを存在的・存在論的に特色づけることから出発して、さらに世界内部性を際立たせることへと進み、こうして、この世界内部性に即して世界性一般の現象を看取しうるようにするにいたった。」『存在と時間 V』p. 80 (中公クラシックス)(赤色ボールド体は、renshiによる強調である。) つまり、ここでは、世界内存在は、世界環境内部における道具や事物から、世界認識を形成することを述べているが、これでは、世界は、端的に、モノの世界であり、人間不在である。つまり、モノの認識は、人・他者の認識より遅れるか、あるいは、同時だと考えられる。世界が道具や事物だけとは、考えられない。もし、世界が道具や事物だけとするならば、ハイデガーの世界概念が間違っているのである。 同様の他の箇所も次に引用するが、説明を繰り返すが、配慮的に気遣うということは、事物やモノを気遣うということで、人間・他者を気遣うということではない。 「気遣いとして現存在は、本質上、おのれに先んじているのである。差しあたってたいていは、配慮に気遣いつつある世界内存在は、おのれが配慮的に気遣っている当のものにもとづいて、おのれを了解している。非本来的な了解は、日常的に従事しているさまざまな業務の配慮的に気遣いうるもの、実行しうるもの、緊急を要するもの、不可避的なものをめがけて、おのれを企投する。しかし、配慮的に気遣われたものは、それが存在するとおりに、気遣いつつある存在しうるという目的のために存在しているのである。この気遣いつつある存在しうることを現存在は、配慮的に気遣われたもののもとでの配慮的に気遣いつつある存在において、おのれへと向かって到来せしめるのである。現存在は、第一次的には、おのれの最も固有な没交渉的な存在しうることにおいておのれへと向かって到来するのではなく、むしろ現存在は、配慮的に気遣われたものがもたらす成果や、それがこばむ拒絶にもとづいて、配慮的に気遣いつつおのれを予期している。配慮的に気遣われたもののほうから現存在は、おのれへと向かって到来するのである。非本来的な到来は予期という性格をもつ。ひとが従事している当のものにもとづいて、世人自己として配慮的に気遣いつつおのれを了解することは、到来のこうした脱自的様態のうちに、その可能性の「根拠」をもっている。」 p. 86 (尚、訳文の傍点は、下線に変えた。) |
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