フッサールの志向性と生活世界とは何か






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2007年08月13日(Mon)
フッサールの志向性と生活世界とは何か
ハイデガーの『存在と時間』を読み続けているが、思うに、フッサールによる現象学の基があったればこそ、ハイデガーは現象世界を存在論的に精密化できたのである。
 思うに、ハイデガーの現象学/存在論とは、フッサールの現象学の進展と見るべきである。しかし、アウトラインはフッサールによって描かれていたと見るべきだと思う。つまり、フッサールの志向性(ノエシス・ノエマ)の純粋意識の問題を、存在へと進展させて、より水平的に考察していると思われるのである。
 フッサールの問題点は、ノエシスが身体という存在を志向することまでには達しなかった点ではないだろうか。身体という存在を志向するノエシスと考えると、ハイデガー/メルロポンティ現象学への方向が生まれると考えられるのである。
 ノエマとは、ソシュールで言うと、シニフィエに近いと思う。そして、これは構造主義の問題でもあるが、身体を取りあげられない点である。ノエマやシニフィエは、身体の背景に浮かぶ対象的像だと思う。そして、身体が影になって不可視なのである。ハイデガーの存在とは、純粋意識と身体との相関性のことではないだろうか。
 身体は他者である。フッサールはこの点に達していなかったのである。しかしながら、生活世界とは何だろうか。これは、同一性=自我の二元論の世界成立以前の世界であり、志向性が、身体へ、さらには、世界へと向かっていた世界ではないだろうか。つまり、純粋意識が身体を介して世界を志向していた世界。ここでは、純粋意識と身体・世界との差異共振性が支配しているだろう。間主観性乃至は相互主観性とは、端的に、身体・世界的差異共振的脱主観性ではないだろうか。主観と客観とが共振した世界である。コスモスである。これが、生活世界ではないのか。コスモス的世界である。
 後で、身体論について考察したい。
 
参考:

フッサール
現象学的認識論の基礎

 はじめに

 現象学の創始者エトムント・フッサールの展開した哲学は、絶えず認識論的に方向付けられていたともいってよい。フッサールによれば、現象学とは超越論的立場からの認識論であるはずであった。現象学を「認識批判」とするフッサールの立場は、ハイデガーによって激しく批判されることとなるが、しかしそのことが逆に、フッサールの独自性を浮き彫りにしている。つまり、フッサールの現象学の独自性は、認識論上のパラダイム転換にあったといえるのである。とはいえ、フッサールがその具体的な分析において切り開いた問題系は、単に認識論にとどまらない。例をあげれば、後期時間論や相互主観性の理論、そして生活世界の理論などは自己や世界をめぐる存在論的思索であったといえよう。ただ常に念頭に置かねばならないのは、そのような存在論的思索も現象学の立場からの認識論的考察の成果の上に立って、展開されているということである。そこでまずわれわれはフッサールが彼の現象学でもって切り開いた認識論の新しい地平は何かということをテーマとして扱うこととする。
http://cgi.biwa.ne.jp/~isamu-m/Husserl-Theo.html


フッサールの方法とその諸問題
総論

 このレジュメの目的は、エドムント・フッサール(1859−1938)の思想理解と、彼の用いた術語を理解することにある。そのために、まず現象学的還元(phänomenologische Reduktion)に端を発するフッサールの学的態度を一通り示し、そこで出てくる概念の説明を試みる。それから先行思想との関係、フッサールの思想における難点の追求へと進む。ただ、この発表はあくまでも名目が院試対策であることから、その形式、書式は共に一般的なレポートのそれとは異なっていることに注意されたい。

http://mrmts.com/jp/docs/husserl.html

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