Media Pointから同一性への転換の様相について:太母文化と父権文化との連続態と不連続化:新一・多神教の誕生に向けて






2007年12月30日(Sun)
Media Pointから同一性への転換の様相について:太母文化と父権文化との連続態と不連続化:新一・多神教の誕生に向けて
この問題については、既述したが、確認のために、ここで再考したい。 
 自我は、Media Pointの差異(差異共振性・心)を否定するように、同一性から発生すると考えられる。問題はMedia Pointが開いたままであっても、同一性は生起しうるということである。
 つまり、同一性の発生については、二通りのあり方があるのである。一つは、父権文化的であり、それは前者のタイプであり、もう一つは、太母文化的であり、それは後者のタイプである。 
 前者において、Media Pointが隠れて、自我が中心化されるのである。二元論・二項対立の様態である。後者においては、自我は、いわば、未分化であり、半差異/半同一性の様態にあるのではないだろうか。 
 近代合理主義とは、前者が特化された様態である。そして、資本主義は、この意識様態(近代的自我)と結びついている。すべては、物質/貨幣的同一性量的価値に基礎付けられている。 
 西欧近代の問題は、この二つの同一性の混在にあると思われる。前者はプロテスタンティズム、後者はルネサンスと関係する。私はこれまで、プロテスタンティズムは、ルネサンスを内在させていると言ったが、これも、この混在の有り様である。西欧近代とは、二つの同一性の様態(太母文化と父権文化)の混在、換言すると、ルネサンスとプロテスタンティズムの混在と見ることができる。そして、民主主義も同様に思われる。占星術的に言えば、双魚宮様態であり、二匹の異なる魚が連続していることである。そう、占星術は鋭敏である。二匹の魚が尾で繋がっているのである図像をもつのである。正に、西欧近代は、双魚宮様態である。つまり、差異と同一性が連続化しているのである。この連続性のポイントが、ゼロ度である。これが、双魚宮の二匹の尾に当たると言えよう。ここが、肝心要(かんじんかなめ)のポイントである。 
 もし、太母文化様態であったら、どうだろうか。それは、端的に、太極様態であろう。陰陽様態である。差異の極と同一性の極の両極の揺れ動きをもっていたであろう。しかし、西欧近代様相においては、一方で、同一性主義があり、差異は徹底的に排除されるのである。だから、ここでは、弁証法が作用しているのである(これが、ヘーゲル弁証法に帰結したと言えよう)。結局、西欧近代は、矛盾しつつも、連続性が中心化しているのである。 
 本件のテーマに返ると、結局、二種類の同一性様相があり、近代主義とは、父権文化的様態であると言える。問題は、この二種類の同一性様相の発生の意味である。  
 これは、結局、父権文化的勾配と太母文化的勾配の二様を考えれば、いいのではないだろうか。自己認識方程式(+i)*(-i)⇒+1で言えば、+1が父権文化であり、X⇒+1が太母文化であろう。このXが心である。+1が形式的知(頭)であり、父権文化は頭中心なのである。それに対して、太母文化は、頭と心を並存させていると考えられるのである。 ここで、整理すると、父権文化とは、+iに傾斜した文化であり、-iという差異を同一性化してしまうのである。それに対して、太母文化とは、+iと-iとの平衡が取れた文化であるということである。ここで確認しておくと、+iの傾斜に対して、反動的に、-iの傾斜に向かうと、何度も既述したように、神秘主義、オカルト主義になると考えられる。そして、西欧では、この傾向が、19世紀後半から起こり、20世紀前半くらいまで、続いたと言えよう。また、60年代以降、カウンター・カルチャーとして、それが復興してきたと言えよう。いわゆる、精神世界文化の活動である。 
 もっとも、モームの『月と六ペンス』で触れたように、あるいは、シャガールの絵画に関して述べたように、神秘主義ないしは身体的神秘主義は、反動的ながらも、そこに、差異共振性を内在させていることが多いと考えられるのであり、短絡的に、神秘主義・オカルト主義を否定することは反知性的である。ここで、ついでに、この神秘主義・オカルト主義の反動性について解明しておくことは意味があるだろう。+iの傾斜という父権文化に対する反動は、-iの傾斜であるが、それは、身体性や神秘性の傾斜である。これは、逆さまの同一性と言うべきものであり、この逆さまの同一性は、精神というものを同一性化して捉えると思われるのである。そのために、霊的唯物論というような発想が生まれると思われるのである。同一性知性を、身体・神秘的同一性化してしまうのであり、ここにおいて、身体・神秘的同一性が「霊」や「魂」となり、中心化されると思われるのである。これが、神智学・人智学的発想であると考えられるのである。 
 だから、霊や魂という用語はミスリーディングで危険である。私としては、同一性を包摂したMedia Pointを心と呼びたいと思っている。それがおそらく伝統的な用語である。そして、Media Pointを特化すれば、霊、魂、霊魂という言葉が使えるだろう。だから、心を心魂ないしは心霊と呼ぶこともできるかもしれない。もっとも、日常生活では、同一性に傾斜しているので、心魂というよりは、心と言った方が適切である。 
 ということで、結局、既述の考察を再確認することになった。しかしながら、本考察で明らかになった点がある。それは、父権文化は同一性傾斜文化であるが、太母文化は、差異傾斜文化と言ってもいいのであるが、正確に言えば、同一性と差異の平衡文化であるということである。あるいは、差異共振文化である。簡略に、差共文化と言えるだろう。結局、神道やケルト文化の三つ巴に帰るのである。三相性である。 
 ここで、最後に、この三つ巴の三相性とキリスト教の三位一体について考察して、本稿を終えたい。 
 父を同一性、子を差異、そして、聖霊を差異共振性と見ることができるならば、三位一体とは、ある意味で成立するのである。しかしながら、問題点は、この三位一体の一元論の一元の意味である。もし、その一元を聖霊=差異共振性とするならば、成立すると考えられる。しかしながら、キリスト教において、三位一体の一元とは、基本的には父を意味するのである。つまり、同一性である。ここに問題点があり、だから、キリスト教三位一体は否定されるべきなのである。私はこれまで、三位三体論が正しいと言っている。とまれ、聖霊=差異共振性を中心化するなら、三位一元論は成立するのである。 
 では、ここまで来ると、イスラム教の唯一神性について簡単に触れたい。イスラム教は多神教を排除している。しかしながら、イスラム教にはタウヒード(一性いつせい)という考え方がある。この一性が、当然、唯一神の様相のことであるが、この一性とは、同一性(父)ではなく、聖霊=差異共振性であると思われるのである。そうならば、イスラム教とは、隠れ多神教、あるいは、隠れ神道であると考えられるのである。理論的にはそうなるのである。 
 つまり、聖霊=差異共振性としてのタウヒード(一性)とは、プラトニック・シナジー理論から見ると、+iと-iとの差異共振性をもっているので、三相性があり、つまり、三柱の神と言えるのである。私はコーランをよく知らないので、確定できないが、おそらく、アッラーフ(アラー)は、神道の神と似ているところがあるはずである。そう、直感では、アッラーフとは、太陽神であり、ゾロアスター教のアフラ・マズダである。そして、これは、天照大御神に通じるのである。そう、アッラーフは父ではなく、聖霊である。Media Pointである。
 しかしながら、ユダヤ・キリスト教において、太陽神は、いわば、翳っているのである。イエス・キリストに存する太陽神は、太母である。これが、ヤハウェによって、翳っていて、同一性化を被っているのである。 
 結局、トランス・ユダヤ・キリスト教を考えると、つまり、イエス・キリストをユダヤ・キリスト教から解放すると、太母としての太陽神があり、同時に、太母の子のイエスが復活するのである。 
 では、太陽神=太母の子のイエスの復活とは何を意味するのか。それは、ケルト神話のトゥアッハ・デ・ダナン(ダナンの息子たち)を考えると、あるいは、聖書の神の息子たちを考えると、一人ではなく、多数となるのである。多数のイエスである。多元・複数的イエスである。これは、結局、新一・多神教の誕生を意味するのではないだろうか。 

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